トウモロコシのひげ茶よりもピーマンのワタ茶がうまい
トウモロコシのひげ茶ってうまい
焼肉屋でたらふく肉を喰らった後、時折出会う琥珀色の液体。温かく、香ばしく、口の中の油をすっきりと溶かしてくれる。肉を食べた後のために生まれたんじゃなかろうか?というその飲み物こそ、トウモロコシのひげ茶である。
おいしいのに焼肉屋さんに行かなければ飲めないのが難点。いやだ~あれ家でも飲みたい飲みたい~。
というか、家でも作れるんじゃない~??
ということで作ってみた。
トウモロコシのひげ茶を作る
トウモロコシのひげ茶の原料は、
- トウモロコシのひげ
以上。である。
まずはトウモロコシを買ってきまして、皮付きのままレンジでチン。
ひげをとって、洗って乾かす。
乾いたら数センチに切ってフライパンで炒る、のだが。なんだかすっぱい…においがする。
よく言えば干し草みたいなにおい。ウサギは喜びそう。人間の喜ぶ飲み物になるのか、かなり不安が煽られる。
牧場の草の匂いしかしなかったのに、炒りだした瞬間に焼きトウモロコシの甘い香りがよみがえってきた。やった~!!!勝った!!!!!(何に)
焦げない程度に色がついたら、お茶パックに入れて、お湯を注いで完成!
では早速。勝ちを約束された香りを吸い込みながら頂く。
…
…
あれ?
味がしない。
匂いを嗅ぐと、あのトウモロコシのひげ茶なのだが、飲むと無である。
無ならまだよいが、蒸らし続けているとどうも生臭さが顔を出す。これはいけない…。
ほかの野菜からもっとうまい茶ができるのでは?
もしかすると、お湯に対するトウモロコシのひげの量が少なかったため、薄くなってしまったのが失敗の原因かもしれない。ではもっと量を確保できるトウモロコシのかわでお茶を作ってみたらどうだろう?
そもそもトウモロコシのひげ茶って、その部位のセレクトはなんなんだ。先人たちは捨ててしまうような部位を使ってよく飲み物を作り出そうとしたな。ならもういっそ、ほかの野菜の捨てちゃうような部分を使ってもおいしいお茶ができちゃうんじゃなかろうか!!うわぁ、おいしいの発見しちゃったらどうしよう、ビジネスチャンスになっちゃうぞ。一獲千金を夢見ながらスーパーに野菜を買いに行った。
*野菜には部位によって毒が含まれる場合があります。もし真似する際はちゃんと調べてからやってね!
試した野菜たちはこちら!
- トウモロコシのひげ(比較用)
- トウモロコシのかわ(ひげ茶のリベンジなるか??)
- かぼちゃのかわ(頑張って削いだ)
- かぼちゃのタネ(炒って食べたらおいしそう)
- ピーマンのタネとわた(一番見た目の生ごみ感が強い)
- 玉ねぎのかわ(ちゃんとしたお茶っぽくなりそうで期待)
- ニンジンのかわ(このまま食べてもおいしそう)
- ナスのへた(大穴を期待してエントリー)
これらを、先述の通りに乾燥→焙煎して"茶葉"にしてみた。
お茶にしちゃうと"茶色"になって見た目は近いのだが、それぞれ香りが個性を放っている。
8種類のお茶の違いをひとりでちゃんとレビューできるか不安だったので、試飲には夫に協力を仰いだ。夫は飲食品企業で働いており、普段から味覚の評価をしているそうだ。とても心強い。
おすすめ度を10段階で評価し、匂い/味/そのほかのコメントも残した。最終的におすすめ度の平均値をもとにランキングを作成した。
先に結果を発表しちゃいます。じゃーん!!!!!
なんとなんと、ひげ茶よりうまいお茶を3つも見つけてしまった!このトップ3に関しては、また作って普段から飲みたいものばかりである。
以下はそれぞれのお茶のレビューです。便宜上、筆者(あり)とその夫(くい)の対談形式で記載いたします。ランキング下位から参ります。
最下位:ナスのへた茶
(あり筆者)色がさ…。すごいよね。
(くい夫)ナスの漬物の色だね。*写真撮るころには茶色になった
(あり)苦ぁい…!喉の奥で湧き出る苦みを感じる。
(くい)苦みはわからないな。でもナスの匂いが強い。ナス嫌いな人の気持ちがわかるようになる匂い。
ナスのへた茶はナスの嫌なところが前面に出ていた。野菜茶すべてに共通する特徴として、その野菜の癖が前面に出てくるという発見があった。ナスへた茶はまさにその典型で、ナス嫌いな人への思いやりの気持ちが生まれる結果となった。
同率6位:かぼちゃのたね茶
(くい)炒ってる時からいいにおいがするからこれ一番期待してるんだよね~!!
(あり)香りはいいんだけどね。味はすごく麦茶っぽいよ。
(くい)………。確かに。しかも飲んでみたら麦茶にはないツンとする匂いがある。
(あり)これなら麦茶のむね…。。
香りから期待度が上がりすぎてしまい、肩透かしを食らった。決してまずくはないのだが…。そしてかぼちゃのたねを炒っているときに突然たねが爆ぜて今年一番びっくりした。そんな危険おかさなくてもいいかなという味であった。
同率6位:玉ねぎのかわ茶
(あり)オニオンスープだ…
(くい)オニオンスープだ…
おいしいオニオンスープだった。塩を加えたら最高に食欲をそそる味に。ただしお茶ではない。
5位:かぼちゃのかわ茶
(あり)味はないけど、香りがいい!チャイとかに入れたらおいしそうじゃない???
(くい)ハムスターにかぼちゃをあげた後のケージの匂いに感じる。好きだけど…。
(あり)好きなんだ???????
かぼちゃのかわは乾燥させたらカチコチになりすぎて細かくすることができなかった。もっと粉砕できれば味や香りが強く出たと思う。ポテンシャルを感じる仕上がりだ。
4位:トウモロコシのひげ茶
(あり)香りは本物だよね。
(くい)うん、焼肉屋さんのトウモロコシ茶の香りそのまま。ただ味がなんもしない。そしてよく味わうと余計な酸味と生臭さがかすかにある。
香りだけは大成功だった。炒っていると突然トウモロコシの香りが立ち上ってくるのでその唐突さに笑ってしまう。作っている過程でのエンターテイメント性がとびぬけて高い。そしてそのあと飲んでみてガッカリまでの高低差がえげつない残念な結果となってしまった。
次からはトップ3のレビューです!
3位:ニンジンのかわ茶
(あり)漢方っぽくない????ありがたい感じする!!
(くい)わかる!!ニンジン特有の匂いの奥に薬っぽい匂いがある。そして飲んでみるとかなり甘みが強いよね。もうちょっと薄めたらいいのかもしれない。
しっかりと甘く、滋味深い。やや癖があるが、"体にいいんだよ"と言われたら喜んで飲む、そんな感じの味である。ちょうどいい濃度がわからず、濃い目に入ってしまったので癖が目立ったのかも。改善の余地がある、期待の3位である。
2位:ピーマンのたねとわた茶
(くい)香ばしくて甘いにおいがする。香りはトウモロコシ茶に似てるよ~!
(あり)あ~!!苦いけどこれはマテ茶に近い!!嫌じゃないキリっとした苦さ!
(くい)ピーマンの匂いがかすかにして、飲むと苦いんだろうなって思っちゃうけど悪い匂いじゃない。
まず炒った後の香りが良い。ピーマン特有の香りが"お茶"感を引き立てる。飲むとやや苦く、ただそれがよい!油っぽい料理に合うはず!!!これは夏によいよ~!!!!ゲテモノ枠としてエントリーしたつもりだったのだが、うれしい誤算だった。
1位:トウモロコシのかわ茶
(あり)うま~!!!!!これが一番じゃん!!!!
(くい)こっちが正解だわ!!トウモロコシの実の甘さまで伝わってくる。
やっぱりか~!!これは衝撃のうまさであった。ひげ茶と飲み比べて、こちらの方が本物!と思ってしまった。圧倒的にうまいそして甘い。
ひげはなぜかパリッと乾燥させられなかったのに対し、かわのほうがよく乾燥できてすっぱい干し草臭が少ない。あの、胃がほっとする焼肉の後の味そのままだ~!!
まとめ
というわけで、野菜の捨ててしまう部分から意外とおいしいお茶が作れることが分かった。問答無用で一番おいしかったのはトウモロコシのかわ茶だ。スーパーの売り場でみんなかわを捨てていくじゃないですか、あれを全部もらってきてお茶にしたい。
そして意外性で一番印象に残ったのはピーマンのたねとわた茶。苦くてうまい!食後ではなく、食事と一緒に飲みたい感じ。これはまた作って飲みたいし流行るんじゃないかと思った(流行れ)。ピーマン農家の方、商品化、どうでしょうか???
ちなみにオクラも買って用意していたんですが、お茶にするのを忘れていました。残念ながらオクラ茶のアイディアはオクラ入り、なんちゃって。